この記事は産後パパ育休した私の体験談をを基に、育休中にリスキリングができるのかを解説します。
育休中のリスキリングは可能か?
最初に結論を述ると、産後パパ育休期間中にリスキリングを行うことは大変難しいと感じました。
ただし、長期の育児休暇を取得する場合は、時間を見つけてリスキリングを行うことも可能かもしれません。
リスキリングの可能性は、何を学ぶか、また育児休暇をどの程度取るかによっても変わると思います。
私の経験から、産後パパ育休でリスキリングができなかった理由を後述しますが、もし本格的に子育てに参加するつもりなら、リスキリングに費やす時間はほとんどないと考えておく方が良いでしょう。
育休と産後パパ育休とは?
私の経験談の前に、育休と産後パパ育休について少し解説します。
「育児休業」(育休)とは
育児休業とは、主に労働者が子どもの養育のために一定期間、労働を休止することができる制度です。
日本では、労働基準法によってこの制度が保障されています。通常、子供が1歳半までの期間に取得することが可能です。
この制度の目的は、子育てと仕事を両立させることを支援し、労働者が安心して子育てに専念できる環境を提供することです。
育児休業は、母親だけでなく父親も取得することが可能です。
休業期間中の給与については、企業によりますが、一部の給与を補填するための助成金制度も存在します。
そのため、無給や一部給付となることが一般的です。
「産後パパ育休」とは
一方、「産後パパ育休」は、新生児の誕生直後に父親が取得する育児休業を指します。
この制度は、母親が体を回復させる時間を持つことができ、また父親自身が新生児との絆を深める機会を持つことを目的としています。
「産後パパ育休」は公式な制度ではなく、育児休業の一部として父親が取得するものです。
ただし、この期間に父親が休むことで、母親が体力を回復させる時間を持つことができるという点で、非常に重要な役割を果たします。
これらの制度は、子育てと仕事の両立を支援し、働く親が子育てに専念できるようにするためのものです。
具体的な取得方法や給付内容は、各企業のルールや国の制度によりますので、検討している方は、自身の勤務先の人事部門や労働者福祉部門に問い合わせてください。
リスキリングとは?
そもそも「リスキリング」は、新しいスキルを学び直すことを指す言葉で、特に職業生活における能力向上やキャリア転向を目指す場合に用いられます。
技術進化や産業構造の変化により、現在の職業が将来的に必要とされなくなる可能性がある場合や、新たな職業領域に進出するためには、新しいスキルを学ぶことが必要となります。
これがリスキリングの基本的な考え方です。
育児休業中のリスキリングは可能ですが、その成功は育児の要求、学びたいスキルの性質、そして自分自身の時間管理能力に大きく依存します。
2023年1月4日、岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」を表明しました。その一部として、彼は「子育てなどの様々な状況で、人々が積極的に自身のスキルを再習得することを奨励する」と述べました。
しかし、この発言は子育ての大変さの認識不足と捉えられ、特に子育て経験者からの批判を招きました。
子育て、特に新生児の世話は非常に時間とエネルギーを必要とします。
そのため、育休中に新たなスキルを学ぶ余裕があるという発言は、子育ての大変さを理解していないと受け取られたのです。
私が育休(産後パパ育休)取得した理由や背景
私が取得した産後パパ育休についてお話します。
私の子供は12月の前半に生まれました。子供が生まれてすぐ、私たちは奥さんの実家へ行き、1ヶ月ほど家族と共に過ごしました。
私が取った育休は、子供が生まれてからの1週間と、お正月が明けた後の1週間、合計で2週間です。
会社からはリモートワークの許可も得られ、非常にありがたかったです。
会社からの協力があって本当に感謝しています!
産後パパ育休は最大で4週間取ることが可能ですが、業務の都合と給与カットの問題から、私は2週間を選択しました。
育休を取得した理由は、子育て経験者からの助言が大きかったです。いつも行く美容師さんからは、
「子育ては本当に大変。お母さんと子供のためにも、共に過ごす時間を作ることが大切」
というアドバイスを受けていました。また、職場や友人から、
「仕事が忙しくて子育てに参加できず、奥さんが精神的に辛くなった」
「子育てに参加できなかったことを後悔している。できれば参加した方が良い」
という意見をたくさん聞き、これらのアドバイスから家族のために育休を取得することを決意しました。
育休を振り返ってみると、子育ての大変さを理解できた一方で、家族からの喜びも感じることができ、とても良い経験でした。育休を許可してくれた会社にも感謝の気持ちでいっぱいです。
産後パパ育休とってくれて本当にありがとう!
育休とリスキリングやってみてわかったこと
育休を体験すると、自分の時間が予想以上に取れないという現実に直面します。
特に、新生児の世話をする父親の育休期間中は、赤ちゃんが1〜3時間おきにミルクを必要とするため、自分の時間がほとんどなくなります。
我が家の場合、赤ちゃんが母乳を受け付けなかったため、ほぼミルクをあげて育てました。
ミルクを用意し、飲ませ、赤ちゃんを寝かせ、哺乳瓶を洗うという一連の流れを終えると、あっという間に1、2時間が経過してしまいます。
このため、ほとんど睡眠を取ることができず、日々が過ぎていきます。
上の写真は私が実際に産後パパ育休中、深夜の寝かしつけで寝不足のため、しんどかった時の写真です。
私たちは幸いにも妻の実家で、両親がサポートしてくれました。しかし、それでも夜は妻と交代でミルクをあげたり、赤ちゃんを寝かせたりする必要がありました。
寝不足から昼間に仮眠を取る日々が続き、赤ちゃんの泣き声が夢の中まで聞こえてくるほどでした。
私たちは両親の存在によって何とか乗り越えることができましたが、それが二人だけだったらと思うと恐ろしいです。
もちろん、私たちの場合は初めての子どもだったため、どのように対応するべきかが分からなかったことも一因でした。
もし2人目がいれば、もう少しスムーズに対応できるかもしれません。
それにもかかわらず、このような状況で新たなスキルを習得する時間を作ることは、ほぼ不可能だと感じました。
私の場合、プログラミングの勉強をしようと試みましたが、3日で勉強のために取れた時間はたったの30分でした。
しかも子育てに疲れて果ててしまい。動画を見るだけで終わってしまいました。
産後パパ育休ではなく育休ならリスキリング可能なのか?
時間をつくれば出来るのかもしれないが...
私が今回利用したのは長期の育休ではなく、産後のパパ育休でした。そのため、もし長期の育休を取得した場合には、新たなスキルの習得(リスキリング)が可能なのかもしれないと思いました。
しかし、子供が1歳になるまでは、1〜3時間ごとに子供を寝かせたり、ミルクをあげたりするサイクルが続きます。
これは産後すぐの時期と変わらないです。
ずっと続くとなると、、、子育てって大変だぁ
もしパートナーと協力しながら時間を管理すれば、リスキリングの時間を作り出すことも可能なのかもしれません。特に子供が寝ている時間などは、自分自身のための時間を少し確保できます。
とはいえ、夜間の睡眠時間は一定ですが、昼間の睡眠は予測不可能で、子供が1〜2時間寝ていることもあれば、10分で目を覚ますこともあります。そのため、学習の時間を確保するだけでなく、一貫した集中力を維持することは困難になるでしょう。
育休は名前に「休み」が含まれていますが、それは休息の時間ではなく、子供の成長を支えるための重要な期間です。それは平日の休日のように自由に使える時間があるわけではありません。
リスキリングするくらいなら働いた方が効率がいいかも
育休を利用すると、収入は大体50〜60%減少します。
この大幅な収入減少は、多くの家庭にとって、両親が同時に長期休みを取ることが難しいはずです。
さらに、育休の期間中に業務に影響が出る可能性があります。そのため、復帰後の職務や役職が完全に保証されるわけではないのです。
育休は、基本的には子供や家族のために取る休みであり、新たなスキルを習得するために取るものではありません。
何を学ぶかによっても異なりますが、私は岸田総理の発言を、子育ての大変さを理解していない人の意見だなと思い怒りすら覚えました。
育休中のリスキリングに対する評判・口コミ
育休中のリスキリング、不可能である。
アカチェ
育休中にリスキリング
↓
子育て苦だが、収入UP
↓
所得制限に引っかかり手当無し
育児の難易度UP、手取り減
悪循環すぎん?
異次元の子育て支援どころか、異次元の平民軽視だわ。
たまごやき
リスキリング〜とか男性の育休取得〜とか産官学が推進しとるその辺りを調べると、仕事にやる気があり学習能力がある人間想定の設定で、これだから頭のいい人間だけで考えた施策は😡てなる。
白T
家事育児を十二分にやった上での育休中のリスキリングなら誰も文句言わない🥺‼️
ムスメを産んだ時は余裕なくて、資格取るなんて発想なかったな…因みにパパが育休取るという発想すらなかった😂
たら
ちょっと前にリスキリングとか国会で言ってモメてたというのに・・・夫も妻も、そんな余裕はないのが育休
✧ナガール✧
まとめ
いかがだったでしょうか?私は産後パパ育休だったので、短期間でしたがリスキリングは到底無理でした。
長期育休であればなんとか時間を捻出できるかもしれませんが、そんなに甘いものでもないと思っています。
少しでも参考になれば幸いです。
参考文献
厚生労働省 男性の育休に取り組む 育児休業制度とは
育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
実際に男性が育休を取得するケースは、いまだに約1割程度となっています。マネコミ